部屋着から再びの着替えをして「じゃあねぇ」と、尚輝の車のキーを手に、玄関を出た。


コンビニよりも、その先のドラッグストアの方が、間違いなく安い。

確か、9時までだったような。

どこに買いに行こうか考えてエレベーターに向かっていると。


「美紗ちゃん」

――と。

敦君の声が聞こえて来て、振り返ると、そこにはやっぱり敦君がいた。


「ひとりじゃ危ないし、荷物運ぶのも大変だろうから一緒に行くよ」


どうやら、敦君は一緒に行ってくれるらしい。

2人きりになれるという事もあり、断るのもどうかと思って、私は素直にお礼を言って、下矢印のボタンを押した。


付き合う事に、同意するかしないか――。

それに同意をして変わった関係というのは、不思議だと毎度思うことだけれど。

学生の頃とは違って、なんだかそれが落ち着いた関係にも感じる。

相手がそこそこ年上だから、そう感じるのかも知れないけど。

私のモチベーションが当時とは違っていて。

続かないだろうという予感を抱いていないから、特別そう思ったのかも知れない。