彼は、理想の tall man~first season~


「パスタでもいい、かな?」

「出された物はありがたく頂きます」

その言葉を聞いて、思った。

普段あまり手料理を食べていないであろう敦君には、パスタという選択ではなく――もっと和的な選択をした方が良かったかな。

だけど、今、冷蔵庫の中身なんて確実には判らない。

でも、確か野菜は何かしらあったはずだから、サラダも作ろうと考えながらマンションの自室へ向かった。


「ただいまー」

玄関を開けると、リビングには明かりがあり。

尚輝はいたかと思っていた私。

リビングのドアを開けた瞬間、立ち込めていた煙りに、一瞬驚いた。


そして、それは尚輝だけじゃなく――晃がいたから私は二重に驚いたんだ。


「おーお帰り」

「うん、ただいま」


リビングで立ち止まった私は、一歩足を進めた。


「今日、サッカーのA代表の試合だぜ?」

「え? そうだっけ」


尚輝からの声に、そういえばそうだったかもと思い出した。


「あれ、敦さん!」

「おー、揃ってんな」

「これからサッカーだから、軽く飲みながら盛り上がろかなって感じ」


尚輝は好きなサッカーがやるから、偉くご機嫌。