“悪い、これから急だけど、来客あるから”
スマホには、そうとだけ打たれた尚輝からのラインメッセージがちゃんとあり、ゲッ――って、思った。
けど、
「いきなり押し掛けちゃって、申し訳ない。急に思い立って尚輝に電話しちゃったもんだから」
少し振り返り気味にそう言われて、更にゲッて思った。
「いえ・・・・・・こちらこそ、なんだか、すみません」
客人を前に、大人げなく失礼極まりないことを尚輝に向かって言ってしまったな、と。
それと同時に、尚輝の上司に対して、やらかしちゃったよと。
失言だったと反省。
もうこれ以上の失言は許されないぞと、ボロが出ないよう後部座席で一人静かに猛反省をしていると、車はマンション近くのコンビニで停車。
「美紗も、寄ってくか?」
「ううん、いい」
「俺、今日の夕飯作ってないけど」
「私、作るからいいよ」
「んじゃ、テキトーになんか酒買って来るわ」
「うん」


