非現実的というか、なんというか。
でも、少し興奮気味の彼女を見ていると、善くも悪くもそういう部分は女の子なんだなと、そう思った。
気の利く彼女は、俺達からそっと離れ、テーブルを片付け始めた。
カレンダーを遠目に見ると、たまたま眼鏡をかけていたのが功を奏したのか――文字が良く見えた。
その日は月曜日で、海の日。
本格的に一緒に行くことになったなら、披露宴の翌日が彼女の誕生日。
泊まりになったら、その日は彼女と共に迎えることになる。
「尚輝」
「はい?」
「来月、ちょっと野暮用があって、その誕生日近辺で、美紗ちゃん連れ出してると思うけどいいか?」
「ん? 別に美紗がいいって言ってんなら、好きに連れ出してもらっちゃって構わないっすけど」
尚輝はそうは言ってくれたが、双子というのはピンで生まれた俺みたいな感じの誕生日とは違うんじゃないかと、思った。
まして、経済的にも育ちは良さそうな家だと思うし。
「いや、その前日に野暮用ってやつがあって。多分帰って来れないと思うんだ」
「そうなんすか?」


