「はいはいストップ!! お前ら朝から喧嘩すんなよ、うるせーな」
この3人が一緒というのは初めての事で、その雰囲気に俺は正直少し戸惑った。
尚輝よりも、彼女と晃の方が兄妹喧嘩みたいな空気だ。
「美紗は、なににすんだ?」
「なにがよ?」
「牛丼」
「え、牛丼? なんで朝から牛丼?」
「美紗に飯作ってもらおうと思って、携帯掛けてもお前出なくて、敦さんに電話したら、美紗がシャワー中っつうから、スーパー向かってたのを急遽変更して隣の牛丼屋で買ってきた」
「うわ、最悪」
「そう言うと思って、お前のはお子様にしておいてやった」
「はっ? お子様ってなに?」
「だぁっから、美紗はんなに量食えねぇだろうから、お子様牛丼にしといてやったんだろ」
「だからって、お子様って。ってゆーか、私がお子様って決まってるなら、何にするんだ? なんて聞いて来ないでよ」
「まぁ、確かにそうだな」
「にしても、お子様って」
いや――でも尚輝とは、正真正銘兄妹の痴話喧嘩って感じか。
俺は、双子の会話で、ついつい笑ってしまった。


