彼は、理想の tall man~first season~


色々な事に敏感で、そうでなくても変な事に敏感になる年頃の彼女に――女としてなんてな。

彼女は自分の背に対して、過敏でコンプレックスを抱いてる。

だから、つい感情的になってしまった感は否めないが――。


あれだけの器量の良い女性というのは、なかなかいない。

この場合は他の女性を敵にし兼ねない考えだが、彼女が女として見れなかったら――誰をどう女として見たらいいのか?

俺には晃の質問自体が、いらない質問だった。


そう思っていた俺の中で、何かが滾(たぎ)った気がした。

俺の答えに、面食らった顔して突っ立っている晃を見て、多分晃は彼女に好意を抱いているんだろうと、感じ取れた。

だけど、応援なんてとてもしてやれない。

俺の中で、今の感情の流れで、ある種の方向性が確立された。


「あー、腹減ったー」

ドアが開き、尚輝が部屋へと戻って来た。

「敦さん何がいい? キムチとネギ玉とかあるけど」

こちらの空気をガラリと変えるかの如く、尚輝が俺の隣に座った。


「本当に、朝から牛丼か・・・・・・ヘビーだな」

「あー、ごめんねー敦さん。俺ら、まだまだ若いからさ」