色々な事に敏感で、そうでなくても変な事に敏感になる年頃の彼女に――女としてなんてな。
彼女は自分の背に対して、過敏でコンプレックスを抱いてる。
だから、つい感情的になってしまった感は否めないが――。
あれだけの器量の良い女性というのは、なかなかいない。
この場合は他の女性を敵にし兼ねない考えだが、彼女が女として見れなかったら――誰をどう女として見たらいいのか?
俺には晃の質問自体が、いらない質問だった。
そう思っていた俺の中で、何かが滾(たぎ)った気がした。
俺の答えに、面食らった顔して突っ立っている晃を見て、多分晃は彼女に好意を抱いているんだろうと、感じ取れた。
だけど、応援なんてとてもしてやれない。
俺の中で、今の感情の流れで、ある種の方向性が確立された。
「あー、腹減ったー」
ドアが開き、尚輝が部屋へと戻って来た。
「敦さん何がいい? キムチとネギ玉とかあるけど」
こちらの空気をガラリと変えるかの如く、尚輝が俺の隣に座った。
「本当に、朝から牛丼か・・・・・・ヘビーだな」
「あー、ごめんねー敦さん。俺ら、まだまだ若いからさ」


