晃がそこまで気にするのは、彼女に対して、なにかしらの感情を抱いているからなのか――それとも抱いていたからなのか?
単純に面白がってんのか?
彼女の昨日の話と様子から考えれば、彼氏がいないということに、偽りなんてものは存在しないだろう。
んなことより、そもそも、彼女を女として見ているか、いないかなんて――
「それは、俺が晃に答えなきゃいけない質問か?」
「えっ?」
質問自体がおかしいし気がしてならなかった。
「それに、お前の質問は、その女性に対して失礼な質問にしか過ぎないぞ」
「あー」
女として――晃のその問の意味は、勿論解っている。
女としてという中に、恋愛対象として、という意味と、性的な対象として――。
それらを包めて、女としてという言葉を用いて聞いて来たということは解ってる。
解ってはいるが――それは対象が彼女であったから、聞かれていい気分の質問ではなかった。
ましてその相手が、尚輝ならともかく、晃ってのは――。
「例えば、女としてって――それは千差万別、女性としての魅力を考えた時、万人が彼女に対して抱く感情は違うだろうな」
「ま、そだね」


