随時なにかしら彼女の様子を伺う行動に出て来るのは、美紗のことは好きにしてくれていいからと言ってはいたが、やはり彼女が心配なんだろう。
確かに知っている男の家とは言っても、俺も男な訳だしな。
そこでお酒を飲んで寝てしまうとか――俺が飲ませてしまったから、俺の方にも落ち度はあるが。
ただ、こういう場合は、何をされても文句は言えない――というのが世の男共の共通認識だ。
尚輝が心配するのも、解らないでもない。
実際、俺を尚輝と勘違いするとか、俺が俺であったから良かったようなものの――他の男だったら。
そう考えると、やはり尚輝の気持ちも理解出来なくもない。
それから十数分が経過して、晃が牛丼片手に帰って来た。
「あっちゃん、おはー」
どこからどう見ても怠さ全開みたいな顔の晃に、おかえり、なんて返し。
テーブルに牛丼の入った袋を置いた晃は、「あ~気持ち悪ぃ」なんて言いながら、リビングを出て行った。
尚輝はどうしたんだ?
そんな疑問を抱いたが、その数分後に呼び出し音が鳴り、モニターで尚輝の姿を確認して、ロックを解除。
ただ、その直後――問題が勃発した。


