付き合わずに知り合いの域で、今のような飲み友達みたいな関係を維持していくのか――。

でも、付き合わずに知り合いの飲み友達の域のままでいて、中條氏に彼女が出来てしまったら――。

私は、それに耐えられるのかな?


誰かがあの中條氏に笑みを向けて、腕を組んで隣りを歩く。

誰かにあの中條氏が笑みを向けて――。

それを想像して、胸が締め付けられている私の気持ちは、やっぱり中條氏に恋心を――。


晃と義兄弟じゃ――同居人の仲じゃなければ――。

きっとずっと私の頭の中は、中條氏でいっぱいだったはずなんだ。


素直な自分の気持ちを心の底に押し込めて、ここ最近考えないようにしていたのは――認めてはいけない気持ちだと、自分にいい聞かせていた部分があったから。

正直、なにも考えないで結論を出そうと思えば、きっと簡単に答えには辿り着ける。


四の五の考えていたら、幸せが目の前にあるのに、私は逃すことになる。

だとすると、回り道せずに、飛び込んでしまいたい。

すっぽりと私を包んでくれるであろう――中條氏の腕の中に。


見守るのも愛だと言ってくれた晃は、この気持ちを――私を許してくれるかな。