羽織っていたカーディガンの袖を通させて貰った。

だけど、それで再び中條氏を男性だと強く意識してしまった。


当たり前に大きなそれは、私を平常心ではいられなくさせて、私に変な意識を植え付ける。

変に緊張し始めているのは、この羽織物のせいなのか?

ここが男の人の部屋だからなのか?

私は、鎮まらぬ鼓動を手で抑えつけた。

そして、降り続いている雨音を聴きながら、中條氏ともし付き合ったなら、どんな感じになるのかな――とか、真面目に考えた。


背は申し分ないし、性格もいい感じで、優しい雰囲気もある。

気性の荒さとかもなさそうで、笑った顔は爽やかだし、年上なだけあって頼れそうな雰囲気をまとっている。

行動力もありそうだし、経済力は尚輝以上に間違いなくあって。

会話だって結構弾んでいるようにも思うし、お酒も強い人だから飲んでいても楽しい。

卑猥な会話を目の前でされたりとかもなかったから、真面目な人だと思うし。

尚輝に対しての誠実も、私の中で安心感に変わっているし。

中條氏の些細な行動に、一緒にいてドキドキさせられる。


そういう人と付き合うって、結構幸せなことだよね?