寝て起きて仕事に行って帰って来て、何かを食べてシャワーを浴びて寝る――それだけの部屋って感じなのか、生活感が出ているようであまり強烈には感じない。


完璧過ぎない所がいいと思った。

女性の対処方には慣れていそうだけれど。

完璧になにもかもという感じではなさそうだから――。

それに、女性の匂いとか形跡とかをこの家からは感じないし。


「アルコールはまだ飲めそう?」

「え?」

「いや、飲めるならちょっと付き合ってもらおうかなと思って」

「あ、大丈夫です」

「そう? ひとりで飲んでもなんか味気ないから」

「そうですよね――私も、尚輝がいないとあんまりかも。普段、晃と一緒に飲んだりとかは、ないんですか?」

「最近、帰りが遅くて、晃と顔を合わさない日もあったから」

「そうなんですか。それなら、やっぱり少しだけ、いただきます」

「ありがと。じゃ適当に座って待ってて。煙草吸ってても構わないし」

「あ、はい――ありがとうございます」


角の机を指して言われ、私は言われた通りビジネスチェアに座らせてもらった。


もうすっかり、私の眠気は飛んでいた――。