彼は、理想の tall man~first season~


そして、そこには、前に晃が住んでいた部屋にあった、テレビや棚が置かれていて。

それを見て、変にドキリとさせられていた私は、晃もここの住人なんだと、嫌でも思い知らされた――。


だけど、そんな感情に浸っている刹那は、ドアを開けてこっちね、みたいな感じで誘導する中條氏の行動によって停止され。

私はハッとして、その背中を追った。


「今、タオル持ってくるから、ちょっと待ってて」


そう言われて見渡した部屋は、きっと中條氏の部屋。

私の部屋と広さは多分変わらない。

けれど、ライトの位置が少し違っていた。

ただ、そんなことよりもなにより驚いたのは、この部屋にはベッドがドーンと置いてあるということだ。


間違いなく日本製ではないであろう大きさ。

やはり背が高い分、既製品では厳しいものがあるのか?

あとは、仕事をしているであろう机が部屋角に置いてあり。

その机の上にはPCが置かれていて、その脇に灰皿が置いてあった。


男の人の部屋というのは、久々で。

どうしていいか分からなくて、その場で立ち尽くしていると、風邪引くといけないからと、中條氏からタオルを渡された。