「雨が酷いから一旦家で雨宿りして、止んだら美紗ちゃん送って行くけどいいか?」


飲みに行くことも尚輝に断ってくれていたみたいだし。

今の今も尚輝に連絡――。

中條氏はどれだけ律儀MENなんだろう?


「美紗ちゃん、尚輝が代わってくれって」

「え? あ、はい――すみません」


中條氏から渡された携帯を耳に当てると。


『今、晃がうちに来てるから。つうか、別に雨やんでも帰ってこなくていいぞ』

とかなんとか、軽くちゃちゃを言われた。


取りあえず、今、晃が家の方にいるなら、家に帰らない選択の方がよさそうで。

中條氏の厚意に甘えさせてもらうことにして、一緒に中條氏の部屋へと向かった。


「引っ越してから、生活はだいぶ落ち着きました?」

「んー、まあまあ、かな?」


中條氏の妙な間に、生活は送れているけれど、家事はあんまりなのかな、と解釈。


「お邪魔します」

ドキドキしながら、私は部屋に上がらせて貰った。


ちょっと散らかってるけど男所帯だから勘弁してね――と、そう言われ。

入ったリビングは、前に来た時よりも、生活感あるリビングに変わっていた。