「ねぇ、尚輝」
「ん?」
「この方は、一体・・・・・・」
得体の知れないパフェ男は、間違いなく家に来る雰囲気だ。
だから、誰かと確かめようと思った――んだけど。
「あれ、美紗知らなかったっけか? 俺の会社の先輩」
「――はい?」
「てか、敦さんは新部署の上司だよ」
尚輝はさらりと、そう言った。
「え? 尚輝の――上司?」
「美紗、前に挨拶したことなかった?」
確か、飲み会の送迎を美紗にやってもらった時に――とか。
尚輝はぶつぶつと、こっちがいつの話よ?って聞きたくなるような、全く記憶にないことを言っている。
「会ったこと、ない気がするけど。送迎した時に本当にいたなら、挨拶してるかも知れないけど・・・・・・夜だったから顔までは流石に憶えてないな」
このイケメンを一度でも見ていたら、忘れないだろうなって思うんだけど。
っていうか、背格好からして、忘れられないだろうと思った。
ただ、そんな思考下の私に、
「知らない相手に、さっき返事してたの?」
と――パフェ男は、そう言うなり、爽やかに笑った。


