彼は、理想の tall man~first season~


「ねぇ、尚輝」

「ん?」

「この方は、一体・・・・・・」


得体の知れないパフェ男は、間違いなく家に来る雰囲気だ。

だから、誰かと確かめようと思った――んだけど。


「あれ、美紗知らなかったっけか? 俺の会社の先輩」

「――はい?」

「てか、敦さんは新部署の上司だよ」


尚輝はさらりと、そう言った。


「え? 尚輝の――上司?」

「美紗、前に挨拶したことなかった?」


確か、飲み会の送迎を美紗にやってもらった時に――とか。

尚輝はぶつぶつと、こっちがいつの話よ?って聞きたくなるような、全く記憶にないことを言っている。


「会ったこと、ない気がするけど。送迎した時に本当にいたなら、挨拶してるかも知れないけど・・・・・・夜だったから顔までは流石に憶えてないな」

このイケメンを一度でも見ていたら、忘れないだろうなって思うんだけど。

っていうか、背格好からして、忘れられないだろうと思った。


ただ、そんな思考下の私に、

「知らない相手に、さっき返事してたの?」

と――パフェ男は、そう言うなり、爽やかに笑った。