彼は、理想の tall man~first season~


「これなら、1人で空けられちゃう?」

「――え? 私がですか?」


中條氏からのその問いに、実際空けたことなんてないから、正直答えに詰まったけれど。


「お酒強いお姉さんて、俺好きだわー」


松本さんは、全く酔ってるようには見えないけれど、酔っ払いオヤジみたいな発言をして、中條氏を呆れ顔にさせていた。


「松本、なんか結婚してから、キャラ変わったか?」

「ん? そうか・・・・・・もな」

「何だよ、変な間入れんなよ」

「いや、確実に結婚してからオヤジ化してるかなーみたいな」


確かに、既婚者と未婚者だと、雰囲気が違うものかも――。

そんな風に思いながら、ウィスキーを飲み続けていた私は、松本さんに気になることを聞いてみた。


「松本さんのお子さんて、いくつなんですか?」

「んー、うちのは、あと2ヶ月ちょっとで5歳になる4歳と、あと2歳の子がいる。因みに上が男で、下が女の子」

「かわいい盛りですね」

「上のはギャングエイジだからね、もう暴れて凄いよ」


手に追えないなんて言って、はにかんだ松本さんだったけど、とっても優しい顔もしていてたから、いいパパに違いないと思った。