「新郎新婦を見て結婚に憧れを抱いてしまった女子に、中條が変に付き纏われるんじゃないのかって、俺は心配してるのよ」
「あー面倒臭ぇな」
付き纏われるって――。
中條氏は尚輝が言ってた通り、やっぱりモテちゃうんだ。
面倒だと思うってことは、そうなんだろうな。
凄いなと、関心しながらビールを飲んでいると。
「だからさぁ、今日はこの飲み会になったんだろ?」
松本さんは中條氏から私へと視線を動かし、ニコッと笑った。
「美紗ちゃんさ、」
「はい?」
「俺の言いたいこと解る?」
「あの、全く解りません」
急に私に話が向くから、なんだろうなって――私は余り深くを考えてはいなかった。
「じゃあ、簡潔に言っちゃうけど、」
「――はい?」
「俺からのお願いでさ、その日予定が空いてたら、中條に付き合ってやってくれないかな?」
「おい、松本!」
「――っ私が、ですか?」
中條氏も驚いてはいたけれど、一番驚いていたのは間違いなく私の方だ。
だって、私が抜擢される意味が解らないし、知らない人の結婚式の披露宴まがい?の2次会に行くとか――とてもじゃないけど考えられない。


