2人のやりとりを聞きながら、中條氏って決め方がゆるい感じだなと、サラダをつつきながら私は呑気に思った。
「あ、そうだ」
「んだよ?」
「奥さん同伴、若しくは彼女同伴らしいんだけど、中條ロンリーじゃん?」
「はぁ? なんだよその面倒な条件付き参加」
中條氏の面倒臭そうな切り返しに、確かにそういう条件は面倒だと呑気に思っていた私は、今度はキュウリの浅漬けをつっついた。
「中條ならそう言うだろうと思った! まあ、別に単体で出席でも構わないんだろうけど」
「なあ、松本――お前、その同伴条件、ワザと隠してたろ?」
「いや、んなこたねぇけど」
頭のキレそうな松本さんが、そんな重要なことを忘れないだろうと、それは私でも思った事。
だから、疑いの眼差しを向けている中條氏は、多分正解だ。
OKした後に出された条件。
私は中條氏にちょっと同情してしまった。
「俺が行くって言ってから、思い出したふり的な芝居が、いかにもだろ」
「まあ、そんなことよりさ、単体で行くと色々面倒なことになるんでねぇの?」
「あ? どういう意味だよ?」
「心配してやってんだろ」
「だから何を」


