ただ、そんな時――「ああ、そうだ」と、松本さんは何かを思い出した感じで、携帯を取り出し。
「中條、来月の連休の真ん中って暇か?」
それは、そんな軽い感じで始まった。
中條氏はビジネスバッグの中からシステム手帳を取り出して、予定を調べ始め。
「暇っちゃ暇かな」
まだ予定は入ってない――と、松本さんに返事をしていた。
「なんか、長山が結婚するんだと――んで披露宴まがいの2次会をやるから、集まれる奴を、かき集めてくれないかって頼まれちゃってさ」
「長山――って、あの長山? へぇ、アイツ結婚するんだ」
長山さんというのは大学時代の水球部のチームメイトだったらしく。
結婚式は親族のみで行って、披露宴まがいの二次会とやらは、友達のみでドンチャン騒ぎをする予定みたいで。
中條氏は、その誘いにあったらしかった。
松本さんは部長だったこともあり、チームメイトで連絡が取れる人には片っ端から声を掛けているのだと説明してくれた。
「それ、結構集まるのか?」
「今の所は、ほぼ出席かな」
「ふーん。どの道、俺も出席するんだろうな」
「それじゃ、中條も出席な」
「はいよ」


