彼は、理想の tall man~first season~


中條氏は仕事人間な気もするから、寝ている間の時間を有効活用して――。

「おやすみモードとかもあるんで、音も割と静かなんですよ」

やはり私が勧めるなら、ドラム式の洗濯乾燥機だ。

皺とかもですね、なんて――まるで売り場の店員にでもなったかのような気でいた私は、中條氏に説明。


「流石に、詳しいね」

「色々な機種があるんで、結構調べて決めました。でも、そういうのはやっぱり尚輝の方が詳しいですけど」

「あー、電気機器強そうだもんな、尚輝は」

「はい。ついでに配線音痴の私としては、そういうのパッとやってくれるんで、結構助かっちゃってますけど」

男の配線音痴って、いくらいい男でも魅力半減。

この定説って、何故だろうと思うけど、女子同士の間だと、納得されることが圧倒的だ。


「そういえば、俺が家でしてたことって言ったら、電球の交換とか、ビデオの配線関係だったかな」


中條氏は家事音痴でも配線音痴ではないらしく、私はなんでかホッとしていた。


炊飯器の他に洗濯機とオーディオの購入を決めた中條氏と、会計所で店員が来るのを待った。

「新しい家電て、なんか気分新たにって感じでいいな」