彼は、理想の tall man~first season~


仕事面で考えると、会社と会社の繋がりが、価格ありきな世の中になってしまっいると感じる今日この頃ではあるけれど。

実際いざ自分が高い買い物をするとなったら――少しでも安くして貰えるのであれば、それに越したことはない。

お金が全てではないけれど、不景気な世の中を生きる為には、大事なことでもある。


「納車は大体いつ頃だって?」

「納車は今の見込みで、来月の中下旬っておっしゃってましたけど、出来るだけ詰められるように掛け合ってみるって、松本さんが」

「そう、楽しみだね」

「はい。思っていた以上に値引きもしてもらえたんで――本当に助かりました。ありがとうございました」


契約後、尚輝は出掛けるからと言い出して、最寄り駅で車を降り、本当に電車でどこかに出掛けて行った。

今は中條氏と二人っきりで、中條氏の運転でホームセンターに向かっていたりする。


「松本さんて、やっぱり話やすい方ですね」

「アルコール入ると、もっと話しやすくなるんじゃないかな」

「そうなんですか」

「今度、飲み行ってみる?」

「え、いいんですか?」

「松本は太っ腹だから、奢ってくれるよ」

「わー本当ですか」