昔聞いた美紗の愚痴。
『男って、ちっちゃい女の子が好きなの? 背なんて、縮めたくても縮められないのに。好きでこんなに大きくなった訳じゃないのに』
小柄な女の可愛さとかを求められても、美紗には耐え難かったことだろう。
過去には恋愛が面倒だと、愚痴っていたこともあった。
まともな男に出会えないとも愚痴っていた。
だから、美紗の恋愛をどうにかしてやりたくて、20代半ばを前に、俺は美紗に世話をやきたくなったんだ。
敦さんは俺が知る男の中でも、感覚が人と違うと思わせる部分があって。
内外面から考えても、美紗には合うんじゃねぇかと思わせる要素もあって。
余計なお節介ってのをしてみたくなった。
美紗の背格好なんて、敦さんは気にしない。
まあ、晃目線で考えても、そんなんはどうでもいいことなんだと思う。
晃はきっと、ありのままの美紗が好きなんだと思うから。
ただこれは本当に俺の勝手だけど、この歳になっても晃と美紗が――というのは、考えたくない。
同い年であっても、全く知らない奴ならまだいいんだろうが。
まだ――というレベル。
願わくば勘弁して欲しい。
同い年というのは、生理的にどうもダメなんだ。


