「もうすぐ2年生だね-」

美咲がため息をしながら言う。

「先輩かぁ…」

まだ自分が高校生になった事だって忘れそうになるのに、先輩になるなんてまだ信じられない。

「今年こそ彼氏作ってみせる!」
「あはは、美咲ってば」

美咲はカワイイからすぐ彼氏なんて出来ちゃうだろうけどね。

「杏子は?」

不意に美咲から問いかけられる。

「え…っと、」
「あ、いいの。杏子は無理しなくて。なんとなく聞いてみただけだから。」

ね?と言う美咲にぎこちなく笑ってみせる。


…―自分自身、早く次の恋に進まなきゃいけないってわかってるけど。
怖いんだ、ものすごく。


3月末の今、なんとなく4月に嫌な予感がしている…―。