世界のすべてが敵に回ったとしても

 僕は目を閉じて思い出していた。







 『・・・麗、怖かったら、ここで死ぬのもありだし、逃げるのもありだ・・・。どうする?』







 幼い僕にはよく理解できなかった。






 ただ、うすい着物だけでは寒いはずなのに、佐助さんがいるだけで、すごく温かく感じた。






 『僕は、逃げたりはしないし、死んだりもしません。一生、あなたについていきますよ・・・。だって僕は、あなたの右腕だから』






 『ふっ、いい子だ・・・。そういうところが好きだ』






 笑ってくれる佐助さんはかっこよくて、憧れだったんだ・・・。