世界のすべてが敵に回ったとしても

 「麗・・・さらばだ、麗・・・」



 僕は、牢屋から出て、走った。



 龍馬さんの、家に。



 そして、遊女の時に使っていた着物に着替えた。



 この姿を見れば、誰でも僕が工藤麗姫だと気付くと思って。



 「以蔵!!」



 まだ、処刑の時間じゃないようだ。