「いっぱい傷つけたよね・・・いっぱい辛い思いをさせたよね・・・・こんな事・・私が言う権利もうないのかもしれない・・・・でもね・・・・」



聞いてほしいの。そう告げる。



そんな雪乃から視線を外すことなく、雄大は雪乃を見てくれる。



いつもと変わらぬ優しさのある温かい目で。



「雄大君・・・・私は雄大君の事が・・・大好きです。この先の未来を雄大君と歩いて行きたい・・・・辛い事を一緒に乗り越えて行きたい・・楽しい時は一緒に笑いたい」



きちんと伝えようと思っていたのに・・・最後は涙で何を言っているのか分からなくなってしまう。



雪乃が泣き出した時・・・雄大の雪乃を抱きしめる手が強くなる。



「そこからは俺に言わせて・・・雪ちゃ・・ううん。雪乃。これからの人生を俺と一緒に生きてほしい」



そう言うと雄大はポケットから・・指輪を出した。



それは雪の結晶のような指輪・・・雪乃の名前の指輪。



嬉しくて今度は涙が止まらなくなる・・・・。


「これは・・・・」



雄大が指輪を箱から出しながら指につけてくれる。



「あの時と反対。昔和哉が最後まで悩んでいた店で、今度は俺が指輪を選んで買ってきた」



だから・・・また二人からの指輪になるけど・・・。そう言ってつけてくれた。