仕事が終わり外に出てみれば、一馬は本当に待っていた。



雪乃の方が早いと思っていた為、一馬を見た時は驚いたが・・・・お互い何も言わなかった。



「でっ・・・どこに行きたいの?」



雪乃に聞けば、雪乃は付いて来てと歩き出す。



20分くらい歩いて着いたのは・・・・あの日の海。



あの日雪乃が死のうとした・・・・海だった。



「何でここなの?」


春はすぐそこだったが・・・まだ夜の海は寒かった。


「まぁ…座ってよ」


そう言うと雪乃は先に海岸にある階段に腰掛ける。



一馬も続いて座ったのを確認すると、雪乃は少しだけ息をはいた。



その息が白くなるのが、一馬からでもよく見える。