先生を見ると、さっきと表情は変わっていない。 「・・そうか。うまくいくといいな」 「!」 やっぱりー・・・ 先生は、私のことを何とも思ってなかったんだ。 「ヤス、もういいよ」 ズシッっと心に、石のおもりがついたみたい。 「・・行こう?」 涙が溢れる前に、この場からいなくなりたい。 「ヤス?」 何度も呼んでいるのに、一向に返事がない。 ゆっくりと見上げるとー・・・ 「!!」 唇に、柔らかくて温かいものが触れた。