どこかに向かって歩いている途中、何回もヤスに止まるように訴えたが無言のまま足を止めることはなかった。 「今の時間は、ここにいるよな」 「・・ここってー・・・」 ヤスが足を止めた場所は、美術準備室。 コンコン。 何の躊躇いもなく、ヤスは準備室のドアをノックした。 「ヤス!」 ドクン、ドクンと心臓が深く打っている。 もし、先生が出てきたらー・・・ 感じたことない緊張感に、ヤスの制服の裾を握り締めた。