私は、先生を諦めなくていいのだろうか?



「永井、おいで」



「…っ」


両手を広げて、先生が待っている。


その胸に、今すぐにでも飛び込みたいー…

けど…


「…先生」


一瞬だけ脳裏に、先生の奥さんの顔が過ぎった。


でも今の私には、本当に一瞬のこと。


「…好き」


「知ってる」



今は、もうー…




「先生…大好き!」



目の前にいる先生の胸に、飛び込む。



「それも、知ってるよ」




身体から伝わってくる体温が、心地良い。


私…先生に、抱き締められている。


ずっと、ずっと…

思い描いていた。



それが今、現実になった。