「…え?」


今の…どういう…


目を見開き、先生を見た。


「…ごめん。永井」


ボソッと言うと、先生は持っていた課題作品をー…


「あっ!…」



風にのせて、手放した。


慌てて窓際に向かうと、ひらひらと風にのって作品が飛んで行く。


「どうして…」



とうとうプールに落ちてしまった作品と、黙ったままその様子を見ていた先生を、交互に見た。


「…永井、明日からも補講な」

「…は?」


「課題、提出してないだろ?」

「提出してないって…今…先生が…」

窓から落としたじゃん?


唖然としていると、全開に開いていた窓を先生が閉めた。


「さすがに2度目は、俺がみっちりマンツーマンで見てやる」

そして、何故かカーテンも閉めた。




「…何だよ?また、泣いてるのか?」




やっと先生と目が合ったのに、涙でよく見えない。




「夏休みの間、ずっと一緒にいられるだろ?」



困ったような…

照れくさそうな…



そんな先生の表情。