「永井、課題は?」 「ずっ…」 言葉が出なくて、課題が置いてある方向を指でさした。 「そうか」 先生は、指でさした方向に向かって歩きだした。 「…」 その後ろ姿を目で追った。 泣いている私と、冷静な先生。 …温度差がある。 何か、泣いてる自分が恥ずかしくなってきた。 もう、帰ろう。 手で涙を拭き、帰る支度をしている時ー… 「…よく、できてる」 課題を見ながら、先生が言った。