「……一体どうやって部屋に入ったんですか?鍵、掛かってましたよね」
「本家を見習って、教師権限で寮母さんから合鍵借りたの。ジローが」
「念のために万里ちゃんを同行させたお陰か、あっさり借りられたみたいよ」
寮母さんは何をしてるんだ。
天神寮のセキュリティが不安で堪らなくなった啓太である。
「申し訳ありません田中君。なんとか止めようとしたのですが……」
疲れきった様子で溜め息をつくアルフレドの肩に
「アルフレドさん、仕方ないんです、仕方ないんです……」
啓太はぽんと手を置き、何か悟ったような表情で、同じく深い溜め息をついた。
啓太が諦めたところで、中断した飲み食いを再開する一同。
それにしても、と五人はジト目で虎次郎を見る。
「ねぇちょっと、ニヤニヤすんの止めてよ。キモい」
「うん、キモいキモい、うん、ニヤニヤニヤニヤ」
いつの間にやら上の空のしまじろう。
視線を宙に漂わせてにやけるその様は、とても年長者とは思えない。
「初詣うふふあははニヤニヤニヤニヤ」
そう、ご存知の通り、しまじろうは愛しのデレチャイナと初詣に行ったのですニヤニヤ。
だから彼は妙に機嫌が良いのですニヤニヤ。
虎次郎はすっかり調子に乗って、“なんか今ならいけそうな気がする!”と万里が持参した“角砂糖”を一本貰い呷る。
し・か・し。
「ぬぉおおぉおぉああああああッ!!」
案の定コタツに入ったままのたうちまわる虎次郎。
新年早々、いとあさまし。

