「あら、おはよう」
後ろから現われたのは、三年の“白兎(ハクト)の君”こと因幡舞白。
社長出勤当たり前、
アルフレドを始めとする風紀委員や啓太の間では“遅刻魔”で通っている彼女が、どういう訳か今朝は異様に早い。
アルフレドは眉をひそめた。
実は前の日の昼、アルフレドが彼女に約束してしまったのだ。
もし今日遅刻しなかったら、食堂の“超豪華!デリシャスAセット”をご馳走する、と。
補足だが、このデリシャスAセットは購買の焼そばパン(大)に並ぶ人気メニューである。
ただ、若干値が張るので一般生徒はそう簡単に口に出来ないセレブ向けランチだったりする。
「約束通り遅刻はしないだろうから、貴方もきっちり約束を守って頂戴ね、アルジャーノン君」
「アルフレドだと何度言えばわかるんですかね貴女は」
「あ、そうそう。貴方に渡す物があったんだった」
得意技、ツッコミスルーを炸裂して舞白は彼に何かを渡す。
白兎の君から苦労人へのプ・レ・ゼ・ン・トーっ(はあと)
……な筈もなく。

