そんな彼の右手を、今度は少女がとった。

少年は目を見開いて顔を上げる。



「あっアリスカさん……あの……」

「寒いから、手、繋ごっか」



悪戯っぽく笑ってみせる愛しい人。

ただそれだけなのに、不思議と戸惑いが解けて



「……………………はい!」

はにかみながらも、繋いだ手をぎゅ、と握り返した。






どちらのものかもわからない胸の高鳴りが、渇いた世界をそっと満たしていく。








【不機嫌なマイハニー・終】



「さっさとチューしちゃえば良いのにねー。二人してウブなんだからぁ」

「……アンタはもっと羞恥心を知れ」



どうか皆様が、素敵なクリスマスを過ごせますよう。