これぞ模範的学園ライフ!


「じゃあ私達は先に帰るね」

「うん了解ッ。また後でねー!」

「……また、明日」

アリスカと啓太が席を立つ頃には、店の外も中も同じ色をしていた。



季節は冬、扉を開ければ冷たい北風という名の現実が一気に傾れ込んで来る。

今の今まで暖房の効いた店内にいたものだから、この温度落差は思った以上にきつい。



はぁ、と両手の平に息を吐くアリスカ。

息を掛けている時は微かに温かいものの、当然ながらそれを吐き終えた瞬間に猛烈な寒気が再び襲い掛かる。

寒さのあまり、自然と体が縮こまっていった。



と、彼女の右手を優しく包む、少年の小さな二つの手。

「……手、繋ぎませんか」



突然の言葉に驚いて、自分より低い位置にある彼の顔を覗き込もうとすると、なんと彼は耳まで真っ赤に染めて湯気まで放出していた。

「えっとその……寒い、ですから……あっ、ででででも嫌ですよね、急にすみません」

勝手に自己完結した啓太は急いで両手を引っ込めて、モジモジと俯いてしまった。