テーブルに置かれた途端、マスター渾身のブレンドに砂糖とミルクをドボドボ大量投入する甘党万里に、マスターは若干渋い顔。
何故彼女は元から甘い飲み物を頼まなかったのか。
「砂糖、二つだよね」
シュガーポットから角砂糖を迷わず二つ取り出し、啓太の紅茶に入れてやるアリスカ。
万里はおや、と思う。
「ありがとうございます」
彼はふわりと微笑んだ。
蜂蜜色のライトの中でも、両者の頬がほんのり苺の色を帯びるのがわかる。
(嗚呼、なんだ)
それを見て、万里と雛菊の顔もつい綻ぶ。
確信なんかじゃないけれど。
(わざわざ問い詰める必要もないじゃない)

