木枯らしがガラス窓を震わす。

道行く人達はコートを着、マフラーに口元を埋めて先へ先へと早歩き。

外はきっと、寒いんだろう。



「――――で、二人とも結局どうなの?」



天神学園近くの喫茶店。

使い込まれた木のテーブルの上に身を乗り出して、丹下雛菊は向かい側に座る田中啓太とアリスカ・テフレチェンコを見つめる。

雛菊の隣では、三人を無視して幸多万里がコップの水を啜っていた。



「どうなのも何も……なんの事かさっぱり……」

アリスカと啓太は互いに顔を見合わせた。

二人して首を傾げて困ったように笑う。