そんな啓太に対して
「全く話になりませんね」
アルフレドはあからさまに眉根を寄せた。
「つまり君は、自分を好いてくれない方には興味はないと言いたいんですか」
「誰もそんな事言ってません!」
「しかしさっきから君は、避けられるだの嫌われるだの、相手の事ばかりに気を取られているではないですか。君自身の望みは一体どこへ行ったんですか」
携帯を握っていた手の力が少しだけ緩む。
答えられなかった。
考えてみると確かに、それまで自分が気にしていたのは周りの目やアリスカの事。
啓太本人の気持ちは、いつの間にか二の次になっていた。
そして今の自分の望みといえば―――…。
「謙虚なのは結構ですが、慎ましさが過ぎれば、それはもうただの意気地なしです、臆病者です」
そう言ってアルフレドは立ち上がる。
「そうではないでしょう?君は」
眼鏡の奥で、啓太を見下ろすアイスグリーンの目が微かに細まったようにも見えた。

