それにしても。
彼らは三度騒ぎだす。
小岩井さんといえば、某ノルディック星を脅かしていた宇宙怪人コワインデスを退治したり、月の姫率いる艦隊の攻撃から学園を護ったり、死神である舞白と互角にやり合ったり、とにかく武勇伝の塊のような存在である。
それ故幽霊のみならず死神上層部からも高い評価を得ており、これまで何度も昇格の話は挙がっていた。
しかし、他でもない小岩井さん本人が、それを頑なに拒み続けてきたのだ。
なのに何故、彼は突然死神への昇格を希望したのか。
「えっとねぇ、ちょっとみんな聞いて聞いてー」
ラグナロクがアヒルを放して、皆の注意を引く。
彼女の指が離れた途端にアヒルは砂となった。
「あのねあのね、みんな“なんで小岩井さんは死神になりたいのかなぁ?”って思うかもしれないけどね、そのお話は終わりーッ!みんなだって自分がどうして死神になったか訊かれるのイヤでしょぉ?だからそういうのは止め!おっけぇ?」
ニコニコと笑いながら宣うラグナロク。
「おっけぇ?」
「……はい」
「わかりました」
「地区長が仰るならば」
「仕方ないな」
ぱらぱらと承諾する面々。
「色々話し合われた結果、試験は一週間後行われる事に決定しました」
ここでやっと舞白は着席する。
「それじゃあ試験はシロちゃんに担当してもらいまーッす。てことで今日の会議はしゅうりょー。みんなお疲れさまぁ」
「「「…………お疲れ様でした」」」

