「ねぇちょっと、ここどこよ」

「おかしいなー、この道であってる筈なんだけどなー」



十二月。

とある校舎のとある廊下。

迷子になった二人の女生徒。



「やっぱりあの階段は昇るべきだったのかな。どう思います?千歳先輩」

「どうもこうもないから!早く音楽室見付けてよ!てかさっき思いっ切り階段昇ってたから!」






遡ること一時間。

今日も今日とてダイナミック方向音痴を炸裂していた葉っぱ姉弟のお姉ちゃんの方は、

三時間目の音楽へ向かう途中で不運にも迷子になっていた先輩を発見した。



そう、不幸福双子の妹の方だ。



方向音痴と不幸体質。

迷子的な意味で最悪の取り合わせ。

嫌な予感しかしないのは作者だけだろうか。