「これ、古文の京極先生から」
「マリー先生から?」
渡されたのは、ホチキスで留められた数枚のプリント。
「先週休んだところの宿題プリントだってさ」
「そっかぁ、ありがとうっ」
「……締め切り、来週の金曜までだって。今回はちゃんと出しなさいよ?」
「嫌だなぁ、その言い方だと私が毎回宿題出さないみたいじゃーん」
「現に昨日、世界史の課題出さなかったでしょ。ジロー、カンカンだったよ」
「だぁってぇ、ノートなくしたり山羊に食べられたりミキサーに掛けたりしちゃって“出せなかった”んだもーん」
「出たよ不幸体質」
苛々する。
そうやってなんでもかんでも“不幸”だなんて単語一つで片付けるのは止めてよ。
形だけの心配なら、
その場逃れの同情なら、
なんの足しにもならない憐れみなら
そんなもの、全部全部
いらない。
私の方が他の奴らなんかより何倍も何倍も努力してるのに
私の方が他の奴らなんかより何倍も何倍も優れている筈なのに
どうして、どうして、私ばっかり。

