天神学園高等部二年、アルフレド・バルツァーの朝は一杯のコーヒー牛乳から始まる。



“牛乳消えろ同盟(メンバー募集中)”なるものを結成する程の牛乳嫌いな彼が朝っぱらから顔を顰めつつもコーヒー牛乳をグビグビ飲むのは、

何を隠そう、彼のコンプレックスである身長をどうにかするためだ。



別にアルフレドがずば抜けて小柄な訳ではないのだが、学園にはやたら長身の男子生徒が多く、その中に混じると彼は所謂低身長の部類に入ってしまう。



ちなみに彼のクラスメイトには、彼よりさらに背の低い眼鏡男子が一名だけいらっしゃるので、それが彼の密かな心の支えとなっているらしい。

しかし、牛乳消えろ同盟のメンバーでもあるその一人が最近牛乳を飲み始めたという話を耳にしてから、

寮のアルフレドの部屋に設置されている冷蔵庫の中は、ストックのコーヒー牛乳で埋め尽くされるようになった。



牛乳で必死に背を伸ばそうとしている辺りが生真面目な彼らしいっちゃ彼らしい。