その時であった。
「ヤバイっス!」
名もなき生徒Bが、ノックもせずに生徒会室のドアを開けたのは。
「なんかまたスペシャルバカが校舎破壊してるんスよ!」
正確には、
“吐血博士の二つ名を持つ三年生が、理科室に籠もっての研究中に薬品の調合を間違えてまたもや爆発騒動を起こし、その衝撃でガラスが二、三枚程割れた”だけなのだが
針小棒大、責任転嫁は最早天神学園名物。
「まったく、あのノビノビタ星人ときたら…。やはり一度ジェノサイドが必要でしょうか」
龍太郎、逃げて!
「現場へは私達が赴きますから“副会長”は五十嵐工務店と生徒指導部に連絡。イリアさん、ついて来て下さい」
「もちろんでございます、月様総統閣下様」
メイドの返事に少しばかり渋い表情を見せて、生徒会長は足早に部屋を出て行った。
後ろからイリアと名もなき生徒Bが続く。
一人生徒会室に残されたアルフレドは、ポカンと口を開いたまま、突っ立っていた。
たった今、白神月は彼の事を“副会長”と呼んだ。
ならば生徒会クビだけはなんとか免れたのかもしれない、と。

