「そういえばバルツァー」
愛しそうにぬいぐるみを抱き締めたまま、思い出したように龍娘が口を開いた。
「ここへ来る途中で生徒会長と会ったのだが、もしお前を見掛けたら、十分以内に生徒会室に来るよう伝えてくれと言われたぞ」
にっこり笑って、龍娘は続けた。
「なんでも、間に合わねばお前の分の机がなくなるそうだ」
みるみるうちに、アルフレドの顔が蒼くなってゆく。
「……それを先生が聞いたのはいつですか」
「そうだな、かれこれ九分程前だったか」
副会長猛ダッシュ!!
物凄いスピードで職員室を出て行った彼を、状況がよくわかっていない生徒指導部長は“あいつ、デキル”などと呟きながら見送った。
「大事なコトは最初に言わなきゃダメでしょォォォォオ! あの天然めェェェェエッ!」
全速力で階段を駆け降り、以前生徒会で作成した“廊下を走ってはいけません”のポスターを無視して長い廊下を風のように駆け抜け。
生徒会室の前で急ブレーキを掛けて、急いで扉を開けると。

