「そうだ先生、遅くなりましたがこれ、お約束していた修学旅行のお土産です」
話題を逸らすように鞄をゴソゴソ探り、ポップな柄の包みを取り出して手渡す。
ロゴTを机に放ってそれを受け取った途端、“美味いものだといいなあ”と言いながらバリバリ音を立てて包み紙を破きだす李教諭。
「あっあの、先生、それはそこのテープさえ剥がせば綺麗に……」
綺麗に開ける方法を教えようとしたが、
時既に遅し。
色とりどりな水玉模様の包み紙は、彼女の足元で見るも無惨な姿に変わっていた。
それを気にする素振りも見せず、
「こっ、これは…!」
龍娘の声色が変わる。
「ムカッチャパピリア共和国名物土産のマスコットキャラクター、ムカッチャ君とスチャラカちゃんのぬいぐるみ(Sサイズ)ではないか!!」
龍娘先生、詳しい説明どうもありがとう。
急に乙女の表情になって、超絶可愛くないムカッチャ君とスチャラカちゃんに頬擦りする通称完璧超人に、アルフレドはちょっと引く。
それはアルフレドだけではなかったようで、職員室にいた教員達は皆チラチラ彼女の方を覗いていたり、あからさまに目を逸らしていたり。
毒舌家で知られる爽やか教師は“僕は何も見ていない”と自己暗示を掛けていたし、
いつものように奥方とラブラブテレフォンタイムの真っ最中だった侍殿は唖然とした顔で、通話中である事も忘れて携帯電話を手から滑り落としてしまっている。
密かに龍娘先生に惚れている世界史教師だけは鼻血を噴き出して失神。
李龍娘、いろんな意味で破壊力抜群。

