■デート尾行のその裏で
その電話が、波乱の始まりだった。
『もしもし、千歳ちゃんっ?』
『そうだよーっ。アリスカちゃん、どうしたのー?』
『あのさぁ……万里って今日何か予定あるって言ってた?』
『ううん、なーんにも。あ、でも今はどっかに出掛けてるよ』
『…………そっか』
『どうしてぇ?』
『……実は……実はさっき……啓太と万里が一緒に歩いてるのを見ちゃって……』
『え、田中君が!?』
『本当は今日、二人で買い物に行く筈だったんだけど……昨日の夜向こうからドタキャンされて…………なのにどうして万里と…!?――――私っ、もうどうしたら良いか』
『アリスカちゃん落ち着いて!きっと何か理由があるんだよ』
『……でも……』
『信じてあげよう?ねっ?』
『……………………うん』
『何かあったらいつでも私に電話して?私はアリスカちゃんの味方だから。後で万里にも訊いてみる』
『ありがとう、迷惑掛けちゃってごめんね……』
『迷惑だなんて全然思ってないよ』
『千歳ちゃん……本当に、本当に、ありがとう』
ピッ……
にいぃぃいい
「グッヘッヘッヘ……良いこと聞いちゃったー」
*
明らかに悪い事考えてる千歳。
彼女の陰謀とは!?
そしてそれが原因で、啓太&アリスカカップルに破局の危機か!?
と煽っておきながら、続きは書きません。
いや書けません。