■デート尾行のその裏で



その電話が、波乱の始まりだった。






『もしもし、千歳ちゃんっ?』


『そうだよーっ。アリスカちゃん、どうしたのー?』


『あのさぁ……万里って今日何か予定あるって言ってた?』


『ううん、なーんにも。あ、でも今はどっかに出掛けてるよ』


『…………そっか』


『どうしてぇ?』


『……実は……実はさっき……啓太と万里が一緒に歩いてるのを見ちゃって……』


『え、田中君が!?』


『本当は今日、二人で買い物に行く筈だったんだけど……昨日の夜向こうからドタキャンされて…………なのにどうして万里と…!?――――私っ、もうどうしたら良いか』


『アリスカちゃん落ち着いて!きっと何か理由があるんだよ』


『……でも……』


『信じてあげよう?ねっ?』


『……………………うん』




『何かあったらいつでも私に電話して?私はアリスカちゃんの味方だから。後で万里にも訊いてみる』


『ありがとう、迷惑掛けちゃってごめんね……』


『迷惑だなんて全然思ってないよ』


『千歳ちゃん……本当に、本当に、ありがとう』




ピッ……




にいぃぃいい


「グッヘッヘッヘ……良いこと聞いちゃったー」








明らかに悪い事考えてる千歳。
彼女の陰謀とは!?
そしてそれが原因で、啓太&アリスカカップルに破局の危機か!?

と煽っておきながら、続きは書きません。
いや書けません。