■本日の服装
と、いう事で、会話文だけではお伝え出来ない、尾行部隊三人のファッションをチェック!
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万里は、普段のツンケンした態度とは正反対の、実に女の子らしい出で立ちだった。
リボン付き白ブラウスとショートパンツ、そこにたっぷりしたニットカーディガンを羽織り、足元は紅茶色のクラシカルな編み上げブーティー。
ショートの黒髪の上に、全体を引き締める濃いネイビーのベレー帽がのる。
「なんだお前、漫画家みたいな帽子なんぞ被って。ジャ○子の真似か?」
「田中君、そこら辺から何か鈍器持ってきて」
「ばっ万里さん抑えて抑えてっ!!」
一方啓太はただ一言“コナ○君みたい”と言えば誰もがイメージ出来そうな装い。
アップルグリーンとモスグリーンのストライプのシャツは、蝶ネクタイまで付いて五百円という超お買い得品。
以前このモールで、叔母である深幸と従姉の理子が見立ててくれたものだ。
「やっぱアレか、腕時計が麻酔銃になってたりすんのか?」
「しません」
「じゃあその蝶ネクタイが変声機になってたり――」
「しません」
「……田中君だから可愛いし似合ってるけど、もしジローが同じ格好したら変質者にしか見えないと思う」
「あ゙?」
最悪なのは虎次郎で、恐ろしくブサイクなトラの顔が前面に大きくプリントされた、本人曰くお気に入りのTシャツを恥ずかし気もなく着用。
……この人が龍娘先生に惹かれる理由が、ちょっとわかった気がする。
さらに、その上に着ているのは、右ポケットが飴やキャラメルでパンパンな、いつもの白衣という有様。
「ダサいダサいダサい趣味悪い有り得ない。そもそも私服に白衣って」
「なんだと!てめぇ蜂の巣にすっぞ!」
「暴力ハンターイ。てか虎次郎がトラTシャツとか、どんだけトラアピールしたい訳……恥ずかしいから近くに寄らないでよね」
「叔父さん、とりあえず白衣の前ボタン、今すぐ全部閉めて下さい。トラを隠して下さい」
「そ、そんな可哀相な物を見るような目で俺を見るなぁぁぁああ」
結論。
万里、ゆるふわ系ガーリー。
啓太、かっちりブリティッシュコナ○。
虎次郎、ウィーラブタイガー。