■アナタノオカゲ、キミノセイ

嵌めてくれた君に



「あ、舞白先輩優勝オメデトーゴザイマーッス」


「棒読みするくらいなら言われない方がマシだけれど…………ありがとう」


「うわあああああ!そのドヤ顔ムカつくから止めろおおお!」


「ふふ」


「つーか先輩、なに優勝とかしちゃってんの。骨の五、六本でも折るか顔面に薬品掛けられるかして病院送りになれば良かったのに」


「随分な物言いね。“よき後輩として”私に優勝して欲しかったんじゃなかったの?」


「そんなモン、嘘っぱちに決まってんだろ」


「――――ふふっ」


「なっ!!何よ!またドヤ顔かよ!」


「いいえ、違うわ。貴方、普段からそうやって正直に生きれば良いのに、と思って」


「なっ…!」


「そして貴方自身も、ずっとそれを望ん――」


「だって」


「え?」


「アンタだってそうじゃん!そうやっていっつもいっつもヘラヘラヘラヘラ笑ってさ!自惚れてんじゃねぇよ!苛々すんのよ!」


「…………そうね、苛々するわね」


「…………」


「でも仕方ないじゃない。皆わかってくれないんだもの、何も」


「…………」


「そうは思わない?幸多千歳さん」




「――――なんだ、案外私ら、似た者同士なんじゃない」


「あら、貴方と似ているなんて、不愉快だわ」


「調子にのんなよこの野郎」








どうか二人に、心からの笑顔を。