■フリーズドライ×生真面目2



「美少女二十選、選出おめでとうございます」


「ありがとう。応援頂いた皆様、心よりお礼申し上げます」


「誰に話し掛けているんですか」


「画面の前の方に」


「……」

「……」


「そ、そういえばインタビューの際に、したり顔を披露なさっていたとか」


「おかしいわね、そんなつもりはなかったのだけれど」


「とぼけても無駄ですからね」


「そんな事より」


「スルー……」


「最近物騒な事件が起こっているそうね」


「嗚呼、仰る通りです」


「被害者のほとんどが美少女二十選の選出者だとか」


「ええ」


「……あのぬいぐるみを持った彼女、無事だと良いけれど」


「と、言いますと?」


「彼女とは近いうちに一度、お手合せ願いたいと思っているのよ」


「手合わせ……という事は戦闘ですか!?いくら女性同士とはいえ、闘うとなれば生徒会が許可しませんからね!」


「別に派手に斬り合って怪我人を出したり衝撃で校舎を破壊したりはしないわ」


「そうなんですか?それなら安心ですが……ならば、どう手合わせすると言うのです?」


「ふふ、秘密」


「秘密って。貴女は灰かぶりキャラクターに於ける貴重な戦闘要員なのですから、身体には充分気を付けて下さいね?」


「身体に気を付けるも何も私は……」


「何ですか」


「いいえ、なんでも」


「……」




「時にアリフレタ君」


「アルフレドです」


「貴方、例の王子変身衣装は見付かったの?」


「えっ……それが……」


「貴方が貴族服を探しているところを、狼連れの後輩が目撃していたらしいわよ。みっともない」


「な!?そんなまさか――」


「他人の心配をしている暇があるなら、自分の行動にもっと気を配りなさい」




「貴女に言われても、どうも説得力に欠ける気がするのは何故でしょう」