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「優ちゃん!」
「………」
「優ちゃんってばぁぁぁあああ!」
「黙れ川崎っっ!」
幼なじみの朔と一緒に屋上でお昼休みを楽しんでる途中。
奴が…、
バカが、現れた。
あたしが川崎にきつく一言をぶつけると、
川崎はガクリと肩を落とす。
それが、毎日の繰り返しで。
……はい。もちろん呆れてます。
「優ちゃん、好きだよっ」
「はいはい」
「あ、認めるんだ!」
「認めてねーわ」
クール(らしい)&毒舌のあたし。
小田切 優。16歳。
…一応、ごく普通の女子高生。
毎日、バカ(川崎)に付きまとわれていて
困っておりますわ。はい。
たまに「地獄に落ちれば」とか思うし、
たまに…いや、
毎日“バカ”だと思っている。
彼…、川崎 楓は。
あたしと同い年の、バカ。
バカで、
バカで、
バカで…
………バカだ。
こんな奴がこの世にいるのか!
ってくらい、バカで。
そして、
なぜかあたしに懐いているという…